7月から、個人面談が始まりました。担任が組んだ日程に都合をつけていただき、また、都合が悪い場合は、こちらがお願いするまでもなく、個人的に交代してくださるなどのご協力に感謝です。
さて、はじめての個人面談となる年少組の保護者の方には、特にご説明が不充分でしたので、下記を補足させていただきたいと思います。
まず、なぜこの時期に「個人面談」かという点については、一年間を見渡して、「子どものために」にはこの時期が一番良いのではないかとの判断からです。
今なら、年少組に限らず新しい環境にそれぞれのお子さんがどう適応し、お友達とどんな風に過ごしてきたかをお話しすることができます。また集団生活を過ごしてみての個人的な課題(これは誰にでもあること。年齢によっても違います。)を、ご一緒に考えることができます。それが、さらに夏休みをどう過ごすか、「この子のために」はどう過ごしたらいいかを考えるきっかけにしていただけるからです。
次に、個人面談はそのお子さんについて話すので、たとえ3歳であっても、聞いていれば話題の中心は自分であることは分かります。進路を決めるなど、本人の意思が重要な中学、高校の三者面談とは違い、この場合はご本人は聞いていないことが前提です。
そこで昨今、持ち上がって来たのが「面談の間、わが子をどこに預けたらいいのか?」という問題です。その間、幼稚園で「託児」をしてくれてもいいではないかというお声も、間接的に聞こえてきました。やはり、この場合も「子どもにとって」どうすることが一番良いのかを考えたいと思います。
ひなぎくのお母さんたちは、元来、子どもを預けたり、預かったりするのがとても上手でした。子どもにとってもそれはまた、「よそのおうちで過ごす」貴重な経験になっていました。おやつの配り方が違ったり、玄関で、「靴を揃えてね」と言われたり、おもちゃも違えば、遊び方や言葉使いも違う。
この社会を創っている最小単位の社会は家庭。その家庭によって流儀が違うことを知ることは、子どもたちにとってまたとない社会勉強です。そして、お母さん達にとっても、「その間、家に連れて来ていいよ」「ありがとう、助かるわ」とお互い預け合うことが、又とない子育ての仲間作りのチャンスなのです。
「幼稚園が預かってくれる」という親御さんへのサービスが、かえってお母さんたちの仲間作りの機会を奪ってしまわないようにと、ひなぎく幼稚園は考えています。
夏休みもまた、子どもには子ども同士で遊ぶ時間が必要です。大人がちょっとお手伝いをして、その機会を意識的に作ってあげて下さい。それがまた、「預かったり、預けられたり」という経験になるのではないでしょうか。子どもも大人も、仲間の大切さを味わう夏休みとなりますように。