7月の園長のおたより ひなぎく幼稚園

東京都西東京市のひなぎく幼稚園のホームページです。

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夏休みの原風景


ひなぎく幼稚園の子ども達が毎日出入りする玄関の壁(ボードと呼んでいます)は、ひと月ごとに季節感を大切に先生達が手作りで飾っています。子ども達もよく見、よく気がついて、しばしば靴を履き替える時の会話のタネにもなっています。今月のテーマは絵本の「おっきょちゃんとかっぱ」(長谷川摂子作 降矢なな絵 福音館書店)。かっぱときゅうりが出てくるまか不思議なお話です。是非、お子さんと一緒にご一読を!


幼少期の夏休み

ところで、先日、そのボードを見ながら、ある教諭がこんな話をしてくれました。「冷たい水の入ったこの桶の中でぷかぷかと浮いているナスやキュウリやトマト。それが私の夏の原風景なんです」と。そして、その冷え冷えのトマトを丸かじりした時のみずみずしい味わい、田舎の風景、風、おじいさま、おばあさまのこと…次々と連想して思い出される幼少期の夏休みを語ってくれました。


私にとっての夏の原風景

さて、私にとっての夏の原風景は? その一つは、房総半島、富浦の海です。ある夏、私と従妹を含めた総勢5人は全員浮袋を付け、待ちに待った海へ。ぽちゃぽちゃと波間で遊んでいると、おじがひとこと、「よーし、みんな一列になれー」。というわけで、前の人の浮袋につかまり、その浮袋を後ろの人がつかまって一列につながったのです。その先頭をおじがぐいぐいとひっぱって沖へ沖へと出て行きました。それはそれは体格のいい、力もちのおじでした。その伯父の背中と、従兄弟たちの声と、広い広い海と、波が来るたびにゆらんゆらんと揺れる感覚、潮風、青い空…そして足が全然つかない恐怖…しょっぱい塩水…。今は他界したおじですが、ありがたかったなあ、と、懐かしく、そして、鮮明に思い出しています。
さて、翻って、我が家の三人の子ども達にはどんな「夏休みの原風景」を残してやることができたでしょうか。今度、聞いてみたいと思います。

自然の中にたくさん連れて行ってあげて下さい

皆さんはどうでしょうか? 多分、「原風景」として残っているのは、圧倒的に自然の力によるものが多いのではないでしょうか。そして、五感によるもの。見たもの、聞いた音、触った感触、そして香りや味。どうか、夏休みには、子どもたちを自然の中にたくさん連れて行ってあげて下さいね。


こんな夏も、お勧めです

そうそう、こんなこともありました。我が家の長男が幼稚園に通っていたころ、父母会で「夏休みに親子で楽しかったこと」を聞き合うひとこまがありました。(今もありますね!)海へ行った、キャンプに行ったという話が続く中、ある先輩お母さんが「うんと早起きをして親子で散歩をしたら、まるで違う町に来たようだった」と話してくれたのです。ちょっとハッとしたのを覚えています。そこで次の年、早速やってみました。うんと早起きをして長男と2人、ひばりが丘を歩く。本当にいつもの景色とまるで違う、静かなひばりヶ丘でした。こんな夏も、お勧めです。








(臼井 記)