先日の年中、年少組の保育参観では、幼稚園での一日一日の積み重ねが子どもにとってどんなに大切だったかを感じて頂き、嬉しく思いました。お母さま方からは「子ども達の成長にはびっくりした」「安心した」という感想が多く寄せられました。今回はその1日1日のために、ひなぎく幼稚園が考え、工夫してきたことについてお話ししましょう。
*お母さんが来園される日には、年少組保育室の前についたてを立てます。
この園舎の構造上、お母さん達が2階に行く時には、年少組の保育室の前を通らなくてはなりません。その姿が目に入るや否や、保育室の中では、ハッとおもちゃを手放して遊びを止める子どもや、せっかく集中していた集まりや製作にもそわそわ・・・ということがおこります。そこで、苦肉の策として「ついたて」を立て、園庭側には壁紙をはりました。これで、どんな日でも子ども達の生活はずいぶん落ち着きました。
また、保育参観や給食当番と違って、講演会の時はお母さんは目の前には現れない。そういう日まで「今日、お母さんは幼稚園に行きますよ」と言ってしまうと、一日中待って待って、遂には涙、ということもおこり得ます。そこで、お母さんが幼稚園に行くことをわざわざ言わない日もある、という大人の知恵も使おうとお願いしています。
たとえ自分のお母さんではなくても、「お母さん!」という存在そのものに動揺する子どもは沢山います。お母さんから離れて頑張っている子ども達と、保育時間の1分、1秒も無駄にしたくないと頑張っている担任達のためにも、お母さま方のご協力をお願いしています。
*お泊まり保育を一学期の中盤に行います。
ひなぎく幼稚園のお泊まり保育では、年長組の子ども達と全教員が一緒に幼稚園に1泊します。1日目は朝から集合。丸一日、盛りだくさんのプログラムを楽しみます。
そして就寝。翌朝、お家の方と1日半ぶりに会い、共に礼拝を守ってお泊まり保育を終えますが、その時の子どもたちの表情には何とも言えない満足感、達成感が表れています。
まず、お泊まり保育の間には、グループごとに行動する場面が多くあります。自分のグループ全員が揃うまで待ったり、助け合ううちに、新しい出会い、発見があり、仲間関係がグーンと広がるまたとない機会です。
なのに、すぐに夏休みというのはもったいない!その経験を、後半の1学期の保育に生かしたい、というのがこの時期にお泊まり保育を行う最大の理由です。もちろん、1日半まるまるのプログラムですから、体力の消耗が少ない気候であることも考慮しました。年少、年中さんにはお休みをして頂くことになりますが、私たち教師のお泊まり保育にかける願いをご理解ください。
その他にも、「何で?」と思われていることがあるかもしれません。ひなぎくの場合、そこには必ず「理由」があり、根本には「子ども達のためにはどうするのが一番いいのか」という発想があります。
今月も、子ども達にとって最良の環境を整えて、保育に臨みたいと思います。教師はもちろん、お母さま方もその環境の一つです。よろしくお願いいたします。