11月の園長のおたより ひなぎく幼稚園

東京都西東京市のひなぎく幼稚園のホームページです。

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あなたの若い日に、あなたの造り主を覚えよ


 今から59年前の1952年(昭和27年)、東京港区麻布今井町(現在の町名は六本木4丁目)に、臼井畏三・愛という夫婦が住んでいました。二人はそれぞれ若い日にキリスト教に触れて洗礼を受け、当時は近くにある日本基督教団霊南坂教会に通っていました。


一人の年配の婦人

 ある日、畏三さんが用事で教会を訪ねると、一人の年配の婦人が事務職員に対して熱心に頼み込んでいるのに出会いました。
それとなく様子を聞くと、その婦人は孫のお子さんを教会の幼稚園に入れてくれないかと嘆願していて、事務職員の方は気の毒そうに、もう定員一杯で締切りであることを告げてお断りしているところでした。当時はいわゆるベビーブームの最中でまわりの子供が急増しており、教会附属の幼稚園にすべての希望者を受け入れることはできなかったのです。断られて肩を落として帰って行く婦人の姿が、しばらく畏三さんの目に焼きついて離れませんでした。


教会の附属幼稚園と共に歩もう

 どうしたらよいだろうか ― どうすることができるだろうか ― と、思いあぐねていた畏三さんはハッと気がつきました。そうだ、わが家には幼稚園の先生が二人いる。一人は妻の愛、もう一人は間もなく東洋英和女学院の保育科を卒業する三女の喜久子だ。そして今住んでいる今井町の宅地は、住宅を端に寄せれば小さな園舎が建てられる。こうして幼稚園に入れなくて困っている子供たちを受け入れて、教会の附属幼稚園と共に歩もう。


「ひなぎく幼稚園」が誕生しました

 畏三さんはそう決心し、家族の同意を得て、資金の調達・役所への届出・教職員の採用など、精力的に働き始めました。その努力が実ってその翌年、1953年11月16日に東京都知事の認可が下り、「ひなぎく幼稚園」が誕生しました。今から60年前のことです。ひなぎく幼稚園はその後西東京市に移転し、理事長は臼井畏三から現在の私に、園長は臼井愛から村松偕子、そして現在の臼井真名子へと次の世代、次の次の世代に受けつがれ、今までに5.000人を超える卒園生を生み出しています。



 今月の聖句は、創立の時に臼井畏三・愛の両先生がこの幼稚園のモットーとして選んだものです(新しい訳では「青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ」となっていますが意味は同じです)。両先生がそのように決めたのは、「若い日に創造者である神と救い主であるキリストを心に覚えることの大切さ」を、自らの経験から推して、深く考えていたためではないでしょうか。


(理事長・村松 記)