園庭の中央では「よーいどん!」の声とともに風をきって走るたくさんの子どもたちが見られます。
年長組は「リレーやろう!」と仲間を自分たちで募り、「先生、一人足りないから入って」など、保育者もリレー仲間のひとりです。チームで作戦を考えたり、走る順番を決めたり、そこにチームとしての勝敗へのこだわりが感じられます。一人一人が力をだし、協力し合うと勝てる!ということを知っているのです。
年中組は・・・とにかく自分が走りたい!
そして一番になったら嬉しい。だから、何回も何回も「よーいどん」をして楽しみます。そして、年長のバトンを持って走る姿に「かっこいい・・・」としばし見つめる姿も。あこがれの気持ちが大きくなってくるのもこの位の時期ですね。年長さんがいなくなってから、園庭においてあったバトンをそっと持って、嬉しそうに走ってみる姿もありました。
そして年少組は・・・そんな年中長の賑やかな様子の横でお砂場をしたり、アスレチックをしたり。
でも「がんばれ~」という声にふりむいたり、玉入れが始まると遊びを中断して見に行ったり、組立体操の大だいこが鳴り響いた時は「なんだなんだ?」とお部屋にいた子どもたちまで出てきました。自分のことやその周りの小さな視野の中で過ごしていた年少組も色々なことに興味が広がってきています。興味をもった時が保育者の出番。「ちょっと見に行こうか」とみんなで玉入れを見に行ったり、「よーいどん」の終わった後に「先生もよーいどんしようっと」と、率先して走ったり。大好きな先生のやっていることは一緒にやりたい年少組。見て、興味をもって、先生とやってみて楽しいことを増やしている年少組です。
ひなぎくの運動会は、それぞれの子どもたちの心と体の成長に合わせて、子どもたちと一緒に遊びながらつくりあげていきたいと考えています。
更に、年長組は速く走りたい!リレーにみんなで勝ちたい!組立をかっこよく力を合わせてつくりたい!そういう気持ちが育ってきているので、クラスや学年でとりくむ時間もつくります。ただ練習練習とは全く意味が違います。そこに子どもたちのこうなりたい!という意志があるからです。
年中組は最後まで思いっきり走ったり、ダンスをのびのび踊ったり、クラスの一員として仲間と楽しみを分かち合いたいと思います。
年少組は・・・まずは見て、「おもしろそうだぞ」そこから始まりです。そしてやってみる!もしかすると運動会当日はまだやってみたい気持ちよりも見ることで精一杯、十分の子どもたちもいるかもしれません。私たちはその気持ちも尊重したいと思っています。なぜならば、子どもたちにとって運動会は当日だけではないからです。
運動会はもう始まっています。
そして「見る」経験から、今度は年長さんの組立をやってみたい!違う学年のダンスをやってみたい!と、子どもたちの気持ちは続いていきます。その「やってみたい」という気持ちを大切にみんなで楽しみ、喜びや達成感を毎日の保育の中でたくさん感じていきたいと思います。