先週は自由遊び参観、今週は父母会と、幼稚園に度々足を運んで下さりありがとうございました。ほんのひと時ではありましたが、実に様々な子どもたちの姿があったのではないでしょうか。いつもの様子と少し違ったお子さんの姿もあったかもしれません。いつもいつも心弾む遊びにすぐに出会えるわけでないのが幼児の自然な姿。その日によって様々な心の状態で園生活を始めます。だからこそ、毎日たっぷりと遊びの時間を確保し、ひとりひとりのペースで遊びが軌道にのっていけるように、環境づくりをしている毎日です。
ひとまず退散
さて、年中長組の廊下やホール前のスペースには製作コーナーが登場! 空き箱、折り紙、ストロー、紙テープ等々…様々な素材を種類別、色別に区分けして棚に収めて、子どもたちが考えて選べるようにしました。ある日、年中組でジュース屋さんをしていた子どもたちが「アイス屋さんもしたいね」と製作の棚で材料を探しだしました。そこで薄いお花紙をつかってのアイス作りを提案。すると「ねえ、年少さんにあげに行こう!」とまだアイスの作り始めのところで、話だけがどんどん進んでいきます。アイスの数やお店屋さんのやり方等、計画的に進めていくにはまだまだなのが年中組。アイスを7~8個持って年少組に行ったところ、予想外の大人気にアイスはすぐに売り切れに。しかも、年少さんがアイスに口をつけてしまったり、壊してしまったり…「こりゃだめだ」とひとまず退散。
「もっとアイスを作らなくちゃ!」
でもここで学びました。「もっとアイスを作らなくちゃ!」そして今度は「壊れないようにセロテープでとめようっと!」この子どもたちの小さな発見(気づき)が大事だと私たちは考えています。そして、時間をかけてアイスをたくさん作り、再度年少組へでかけます。数があるおかげでたくさんの年少さんにいきわたりました。ところが!たくさんのアイスをお盆にのせて運ぶのですが、両手いっぱいで運ぶのも配るのも一苦労。「先生~手がもう無理」と。そこで今度は保育者の出番。アイスを宅配したい子どもたちの気持ちを大切にしながら、上原先生の協力を得て手押し車を作りました。そして再再度年少組へでかけたのでした。
楽しいことを年少さんなりに発見
そういうわけで、年少組にはアイス屋さんが何度もやってきました! 自分の生活で精一杯だった子どもたちもアイス屋さんに興味津々。「ちょうだい!」と近づいていったり、「はいどうぞ」と言われると思わず手がのびたり。もらうことができなくてもその楽しい雰囲気をじ〜っと見て感じている様子も見られます。生活に慣れてきて、先生や友だちのやっていることに目を向けたり、新しい遊びにちょっと参加してみたりと、ここでも楽しいことを年少さんなりに発見しているのがわかります。年少組も大好きな先生と様々な活動にとりくんで、心と体を動かしている毎日です。
年長組ならではの遊び
そして年長組は…大工活動や本物の小さな包丁をつかってのお料理ごっこなど、年長組ならではの遊びが見られます。大工ではかなづちを初めて持つ子どもたちもいますが、慎重に真剣にとりくみながら、釘を打ちこんでいます。「始めは釘をおさえてやさ〜しく打っていくと釘がまがらないよ」と実際にやってみて、うまくできるコツを発見しています。よく考え、友だちと相談しながら、遊びや活動を自分たちのものにできるのが年長組1年間の醍醐味ですね。
この「あっ!」という発見が、遊びを更におもしろくする秘訣です。そしてこれは子どもたちひとりひとりが、自分で発見することが非常に大事なのです。たっぷりゆっくり遊んで、そして仲間と様々な活動をして、ひとりひとりが心を開放し満足感や達成感を感じられる毎日にしていきたいと思います。