7月の園長のおたより ひなぎく幼稚園

東京都西東京市のひなぎく幼稚園のホームページです。

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夕涼み会

今月は主任教論の書いた「保育報告」です。


 6月の初め、年長組はキャベツ畑に行ってきました。(ご協力頂いたお家の皆様、ありがとうございました。)それから数日後、画用紙を使ってキャベツ作りが始まり、トマト・キュウリも作ってサラダ屋さんが開店しました。

 おままごとをしていた子ども達の「サラダ作ろうよ!」というなげかけに「いいね!」と賛同し、一緒に作る仲間がいるからこその遊びの始まりです。「サラダだけじゃなくて、スープも作ろう!」と今度は野菜を小さくちぎりだしました。楽しそうな遊びに仲間は増え、「お皿持ってくるね」「お店屋さんにしようよ」と自然と意見が飛び交い、役割分担して進んでいきます。意見を出し合いながら遊びをつくっていく…まさに年長組らしい姿です。

 一方で病院ごっこも始まりました。病院ごっこは年少組でも年中組でも見られる人気の遊びですが“レントゲン”がある病院はなかなかありません。また、受付があり、診察室がブースに分かれていたり、病室に“点滴”が用意されているのも、今年の年長組ならではのアイディアです。ホールにそれぞれ準備ができてくると「お客さん呼ぼう!」と自然とみんなの意見が一致しました。(クラスを越えて関わりを求めるのも年長だからこそですね)

 そこにお客としてやってきたのは年少組さん。自分のクラスで過ごすのが精一杯だった子ども達が2階のホールまで旅ができるようになったなんて!クラスの先生でなくても大丈夫。優しい年長さんに手をひかれ、サラダ屋さんや病院に連れて行ってもらいます。年長さんは、はりきって説明をしたり、おもてなしをしていますが、なんだかされるがままの年少さん。もしかしたらレントゲンを見るのも初めてかもしれません。

 でも楽しい雰囲気は感じています。自分が幼稚園で生活するのに必死だったのが少し視野が広がり、新しい楽しいことに気持ちが向けられるようになったのは大きな成長です。そしてそれができるのは、安心できる担任と友だちがいると感じられるようになったからです。

 年中組さんは…なんと担任がいなくても、年長さんの案内で、子ども達だけでお店屋さんに。(教師がやるように、一列に並ばせて連れて行ってくれました)お店屋さんでは少し緊張気味だったものの、クラスに戻ると、担任にお店屋さんの様子をはりきって話します。

 年中組なりのジュース屋さんや病院ごっこが始まると「お客さん呼びたい!」と聞いたことのある言葉が。話し合いまではなかなかいきません。でもいろんなことを「○○のようにやってみたい」とイメージをもって実現しようとしている年中組です。キャベツ畑や病院に行ったことなど、様々な生活経験すべてが遊びにつながるのが子ども世界。そしてその遊びの中で、友だちと関わることや自分の経験を広げていくのが、子どもたちなのです。

 私たちはそれぞれの子どもの、その学年の“育ち”に合った関わりをしていきたいと思っています。なぜなら、楽しい雰囲気を感じる心や、やってみたいと興味を強くもつ心が育たなければ、仲間と力や心を合わせて何かをつくりあげる力は育たないからです。

 様々な経験を積み重ねる園生活には大きなパワーが必要です。たくさん運動した後には休息が必要なように、幼稚園でたくさん心を動かした後はお家での、心と体の休息が必要です。
おやつを食べながら会話を楽しんだり、膝の上にだっこしてゆっくりするのもよいでしょう。時に、イライラしたり泣き虫になることも。それは園で頑張ったしるしです。いつも以上にゆったりと受けとめて頂ければと思います。お家でのそんな一時が、明日のパワーにつながるのです。

(多和田 記)